推奨されている「路線価」を使って相続税を申告しても、国税庁が「著しく不適当」と考えれば認められないことがある――。そんな国税の特別な課税手法について、最高裁が初の司法判断を近く示す見通しだ。「伝家の宝刀」と呼ばれる国税の手法の是非や司法判断にどんなことを期待するか、税理士法人山田&パートナーズ代表社員の浅川典子税理士に話を聞いた。
――裁判で争われている税務調査の手法は、国税庁長官が定めた「財産評価基本通達6項」に基づくものです。遺産額の評価を国税側の判断で見直すことができるという内容ですが、どうみていますか。
国税が「使え」と言う路線価をもとに出した不動産の評価額を、国税自身に否認されたら、納税者は何をよりどころに不動産を評価したらいいのかわからなくなってしまいます。そもそも路線価を使わずに、不動産鑑定士に依頼して不動産の評価額を算出するというのは、国税に適正価格と認めてもらえる保証がありませんので、税理士として勧めにくい。鑑定費用も納税者の負担になってしまいます。
――6項の適用率は、過去10年間の適用率は0・006%とされています。
節税策がよほど悪質でない限…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル